倉敷翠松高校ってどんな高校?

在校生・先生・卒業生、翠松高校をよく知る三者からのリアルな声を聞いてみよう!
翠松歴18年
天野 洋祐 先生
専門科目:保健体育
生徒指導部長/和太鼓部顧問
目標
登校が楽しみになる学校にしたい
Vol.06
先生

やる気になっているタイミングを逃したくない
やりたいことに挑戦できる学校にしたい

最初はテニス部の顧問をしていたのですが、かつて和太鼓部をつくったものの人数減少により一旦活動が停止になった話を聞きました。ある時、生徒会の生徒と「その時の和太鼓があるし、学校行事で和太鼓を演奏してみては」という話が持ち上がりました。そこで、和太鼓をやっている方に相談し、生まれて初めてちゃんとした和太鼓の演奏を間近で見せてもらったんです。あまりの迫力に感動しました。和太鼓の素晴らしさを知って、しかも生徒もやってみたいと思っているなら、「和太鼓部を復活させよう!!」と。お祭りや老人ホームのイベントなどで地域に貢献できるとも思いました。テニス部の顧問も忙しかったのですが、両立して活動を始めることにしました。

目の前の生徒がやる気になっているタイミングを逃したくないし、その時、始めない選択肢はないと思いました。やりたいことに挑戦できる、登校が楽しみになる学校にしたい、と思っています。また、「北風と太陽」で例えるなら、「太陽」に徹して生徒たちと接したいと考えています。でも教師というものは本当はもっと厳しさがいるのではないかと、時々自問自答しながらですが……。

大きな心で見守りながら、彼らの可能性を伸ばしたい
教師が変われば、生徒は変わる

生徒が主体的に動けるいきいきとした環境になるように心がけています。生徒と教師はお互いを認め合い、応援し合えるような関係性であるべきだと思っています。生徒を信頼して、時には生徒自身に任せて、大きな心で見守ることで、彼らの可能性を伸ばせると考えています。
教師が楽しそうで元気にしていることも大切だと思います。教師が毎日をウキウキワクワク過ごしていないと、それは伝わってしまいます。私たちの姿勢が変わることで、生徒の姿勢も絶対に変わっていくと信じています。

「今頃の若者は......」というフレーズはローマ時代からあると言いますけど、生徒たちは昔も今もあまり変わらないと感じています。スマートフォンなどの登場で使うものは変わりましたが、高校生が持ちうる心理的な葛藤や戸惑いであったり、感じる喜びであったり、そういった思春期の心の動きはいつの時代も変わらないものだと思っています。

みんなに伝えたい
「君ならできる 今、わからなくても良い
目の前のことを一緒に頑張ろう」

以前から、生徒たちを褒めたり、励ましたりする時によく生徒にハガキを書いていたんですよ。年間何百枚になることもあったんですけど。
ある生徒が前向きに登校できなくなったとき、その彼にハガキを出していたんです。やがて明るく登校するようになり、彼のお母さんから「子どもがすごく喜んでいます。立ち直ったのは先生のおかげです。」と言っていただいて、少しは力になれたのかなと思っていました。その彼が卒業時に手紙をくれたのですが、その中で「先生に何よりも感謝している」というフレーズがあったので、あの時のハガキのことかなと思ったら、実はそうではなかったんです。

手紙には『僕が和太鼓部でキャプテンを勧められた時に「僕なんかできないです」と答えたら、天野先生から「君ならできる」と言ってくれたのがものすごく嬉しかったんです。』と書かれていました。
不安な気持ちが前向きになるように一生懸命考えてかけた言葉よりも、その何気ない会話の中にあった「君ならできる」がそんなに彼の励みになったんだと。認められること、「君ならできる」、その一言こそが彼らにとって大切な言葉なんだと改めて気づきました。だからみんなに「君は出来るんだよ」って伝えたいです。ただ言っているだけじゃなくて本当に心からそう思っています。
「君ならできる。今、分からなくても良い。目の前のことを一緒に頑張ろう。」